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ヴァル・マクダーミド『殺しの迷路』(集英社文庫) [読書感想]

■ ヴァル・マクダーミド『殺しの迷路』(集英社文庫)

出だしから面白く、サスペンスフルでなかなかに面白かったんだけど前作以上に後味が悪い作品だったなあ。サイコ殺人と犯罪組織追求の二本立ての本筋としてはなかなか面白いです。本当の悪役は意外なとこに、な展開がマクダーミドらしい皮肉に満ちてるし。前作に絡んでシリーズものの面白さも味わえる。が、キャロルジョーダン両方とも活躍させようとしたためだろうがサイコ殺人の話と犯罪組織の話とがまったく繋がりがない分、多少散漫な感じも否めない。

しかしキャロルとジョーダンの関係がこうなるとは…。前作までの報われそうで報われない恋愛が面白かったに。なんだ、この展開?になってるよ。つーか、ジョーダンが「男」と証明するためだけの捨てキャラはいらなかったなあ、どう考えても可哀想なんですけど。しかもこの二人のバカップルの加減が二人の身に危険をさらし、ヘタすりゃ事件未解決<小説だから、そんなわけないだろ。しかもそのせいで後味悪いものになってしまったし。お互いプロなんだし、命かかってるんだから自重しろっ!とちょっとイライラ。悪役のほうもほどほどに魅力だがプロにしちゃに最後ちょっとバカだし。あんなに感情に振舞わされてよくボスやってこれたな、とか。多少のツッコミが…。サイコキラーの方のキャラ設定がかなり説得力があっただけに、もう少し描きようがあったんじゃないかな。

やっぱり男女が主役だと、シリーズものの傾向としてどうしても「恋愛」が主体になっちゃうのが私としては微妙…。この作品でもミステリ部分が緊迫感あるのに、恋愛部分だけベタベタなハーレクイーンロマンスになっている。バランスがよければ恋愛も描いてくれたほうが楽しいからいいんだけど、仕事にそれを絡らませちゃうと、私の好みからちょっと外れる。まあ、今回ようやくカップルになった二人には精神的ダメージを受けるハメになっているので次巻でどう描くかで今後のシリーズの方向性はみえるでしょう。

殺しの迷路

殺しの迷路

  • 作者: 森沢 麻里, ヴァル・マクダーミド
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 文庫


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フェルトヘルンハレ

今日「ボーン・スプレマシー」を観てとても楽しめたので、サスペンス熱・ミステリー熱がうずうずして以前から買うかどうか保留にしてたヴァル・マクダーミド『殺しの迷路』の書評をググって寄らせて頂きました。う~ん、イラッと来る部分があるんでしょうか。恋愛系苦手なのでどうするかな、シリーズは全部読んでるのでもう少し考えます。
最後に読んだミステリはJディーバー「魔術師」で、「痕跡」「奇術師」は買っただけでまだ読んでません。「奇術師」はこちらの書評を見させて頂き近いうちに読みます。ただ「ボーン~」を観た後なのでハラハラ度のある作品の気分です^^;
今店頭に有る「報復」か映画の原作か・・・
オジャマしました~。
by フェルトヘルンハレ (2005-02-25 20:30) 

雪樹

フェルトヘルンハレ様、こんにちは。書き込みありがとうございます。おお~、「ボーン・スプレマシー」をご覧になられたのですね。私、前作「ボーン・アイディンティティ」が気に入ってるのでこの映画も観たいですよ~。面白かったようですねえ。ますます期待してしまいます。
ヴァル・マクダーミドは好きな作家ですし「殺しの迷路」もサスペンスレベルは高いとは思うんですが、恋愛部分がちょっと私には好みに合わなかったです…。そうですねえ一読の価値はあるので古本屋で見つけるのも手かも(^^;)
サスペンス・ミステリ、最近なかなかこれぞというのが見つからないのですがハラハラドキドキでしたらダン・ブラウン「悪魔と天使」は面白かったです。「ダ・ヴィンチ・コード」よりミステリとしてちゃんとしてますし、予想外に良かったですよ。
今度フェルトヘルンハレ 様のオススメを教えてください。Jディーバー「魔術師」は文庫待ちです。基本、文庫派なもので。
by 雪樹 (2005-02-25 21:03) 

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